東洋鋼鈑では環境への取り組みを積極的に推進しており、地球温暖化対策としてCO2排出量削減、また環境配慮型製品の開発・拡販に努めています。

CO2排出量削減目標・実績
1990年代より率先して推進しており、2030年度における削減目標を以下のように定め、取り組みを行っています。
- 自社の事業活動でのCO2排出量(Scope1、2)を50%削減(2019年度比)
- サプライチェーンでのCO2排出量(Scope3)を30%削減(2019年度比)

最近の主な取り組み
Scope1、2の削減
ー電力の再生可能エネルギー化
下松事業所およびオフサイトで太陽光発電設備の設置を進めています。これらの取り組みによって、下松事業所内で消費する電力のうち、年間約13,920MWhが追加性を有する再生可能エネルギーとなり、年間約7,200tのCO2排出削減に貢献します。
2025年4月時点
■太陽光発電設備を導入(オンサイト)
下松事業所内建屋屋根に順次設置しており、2024年7月に5カ所目を設置しました。


■営農型太陽光発電設備を導入(オフサイト)
中国電力株式会社との間で、中国地方で初となる営農型太陽光発電によるオフサイトPPA契約を締結しました。本取組では農地の上部空間を利用して太陽光発電設備を設置し、農業と発電を両立させる営農型太陽光発電を採用することで、耕作放棄地等の再利用や農業経営の改善による地域活性化にもつなげてまいります。
計64,000kWの営農型太陽光発電所を新たに開発し、発電した電力は、その全量が当社下松事業所(山口県下松市)に供給されます。2030年度までに同事業所で使用する電力量の約20%が追加性を有するグリーン電力に置き換えられ、年間約25,000tのCO2排出量削減が期待されています。

ーエネルギー使用量削減
■高効率ボイラー設置
2021年度、下松事業所の蒸気供給ボイラーの内1缶(台)を、都市ガスを燃料とする高効率なボイラーへ更新しました。これにより年間1,300tのCO2排出量削減に繋がりました。

ー森林活用などネガティブ・エミッションによる吸収
■山口県内で創出された森林J-クレジットの購入
山口県内の森林保全を通じて脱炭素社会を実現するために、三井物産株式会社との間で、山口県で初めて認証された森林J-クレジット1の売買契約を締結いたしました。本クレジットは、三井物産株式会社と公益財団法人やまぐち農林振興公社の共同プロジェクトで、山口県内の森林を適正に管理することで創出されたCO2吸収量をクレジット化したものです2。
当社は本プロジェクトで創出されたクレジットの購入企業第1号として、2024年度から2031年度までの8年間にわたり、森林保全によるCO2吸収量がクレジット化されたものを毎年1,300t分購入します。
1、森林J-クレジット制度:国が認証するJクレジット制度の一つで、森林の適切な管理(施業)を行うことによるCO2吸収の増加量を環境価値として認証したもの
2、J-クレジット創出プロジェクト業務委託契約の締結について



Scope3の削減
-原材料の低炭素化および環境配慮型製品の提供
■環境に配慮した電炉製原板を適用した製品の販売
当社が販売する樹脂化粧鋼板について、その基材となる溶融亜鉛めっき鋼板に使用されてきた高炉製原板を電炉製原板に代替することにより、当社のScope3排出量を削減できることとなりました。また、これにより、本製品を使用されるお客様におけるScope3排出量の削減にも貢献できます。


-モーダルシフト
■物流における環境負荷低減の取組み

当社はグループ会社の下松運輸(株)と共同で鉄道モーダルシフトの取り組みを進めています。
2024年度、山口県から愛知県、及び山口県から静岡県への鋼材輸送に関して、従来のトラック輸送から鉄道輸送への転換を行うことにより、二酸化炭素排出量(141.3t–CO2(74.5%削減))およびドライバーの拘束時間を大幅に削減しました。
これらの取組みにより、当社のモーダルシフト化率は約95%に達します。
モーダルシフト化率:輸送距離 500km 以上における一般輸送量のうち、鉄道または海運(フェリーを含む)により運ばれている輸送量の割合
環境配慮型製品の開発・拡販
環境性能が優れた商品・サービスの開発、お客様への提供を通じて、持続可能な消費と生産の促進に努めています。
製品のライフサイクルを通じて環境影響を考慮し、従来品と比べて環境に与える負荷を少なくするよう配慮した製品であり、東洋製罐グループで定めた認定基準を満たし、東洋製罐グループホールディングスで認定を受けた製品です。
車載用二次電池向けニッケルトップ

HEVやEV用二次電池の主要構成部材として使用され、燃費の向上や
CO2排出削減に貢献しています。
SuMPO EPD(旧名称:エコリーフ)環境ラベルの認定取得
SuMPO EPD(旧名称:エコリーフ)の認定取得
一般社団法人サステナブル経営推進機構(SuMPO)が認証するSuMPO環境ラベルプログラムの「SuMPO EPD」について、ぶりき、ハイトップ®(ティンフリースチール)およびハイペット®(ラミネート鋼板)の3製品で取得しました。当社が製造するぶりきやティンフリースチール、ラミネート鋼板は飲料缶や食品缶に幅広く使用されており、リサイクル性にも優れ、持続可能な社会の実現に欠かせない素材です。お客様はこれにより、使用する製品のライフサイクルでの環境負荷を客観的に評価することができます。リサイクル性にも優れたスチール缶の有する環境優位性を定量的に公開することにより、お客様の環境問題に対する取り組みに貢献していくとともに、ステークホルダーとのコミュニケーションの発展に役立てていきます。
SuMPO環境ラベルプログラム SuMPO EPD
国際規格ISO 14025に準拠した「タイプⅢ環境宣言」いわゆるEPD(Environmental Product Declaration)の1つ。EPDは、宣言された製品の資源採取から製造、物流、使用、廃棄・リサイクルに至るまでの定量的な環境情報を示しており、(一般社団法人)サステナブル経営推進機構が管理運営している。企業活動におけるCO2削減目標や製品の環境負荷を定量的に評価するための客観的な根拠として活用されています。(2024年4月に「エコリーフ」から「SuMPO EPD」へ名称変更)
