東洋鋼鈑グループ(ISO14001グループ統合認証取得8社)の環境情報は以下のとおりです。

環境負荷低減活動に継続的に取組んだ結果をグラフなどに示します。

環境情報

環境情報の概要

省エネルギー・省資源

総エネルギー使用量

2022年度の事業活動におけるグループの総エネルギー使用量(熱量換算;物流を除く)は4,130TJで、前年度比9.5%削減しました。使用エネルギーの内訳は、電力の使用によるものが75%を占めており、残り25%は燃料の使用によるものです。
生産の変動により、やや増減はあるものの、使用エネルギーは、この4年間、ほぼ横ばいの状況です。
クリーンルームの空調更新や照明のLED化等、種々の設備対策を実施し、エネルギー使用量の削減に積極的に取り組んでいます。

電力使用量

グループの総電力使用量は318千MWhで、前年度比8.3%削減しました。

燃料使用量(原油換算)

グループの総燃料使用量(原油換算;物流を除く)は27千kLで、前年度比12.9%削減しました。

水使用量

グループの総水使用量は14.1百万m3で、前年度比4.9%削減しました。
グループでは表面処理鋼板や磁気ディスク基板の製造に多くの水を使用していますが、下松事業所では、冷却塔、ろ過処理設備等の活用により、水の約81%を循環利用しています。

二酸化炭素の排出抑制

二酸化炭素排出量(事業活動)

事業活動におけるグループの総二酸化炭素排出量は、208千t-CO2で、前年度比14.7%削減しました。2013年度比では、28.2%削減しています。生産性向上対策とともに、省エネ設備の導入や高効率化、および環境負荷の少ない燃料への転換を進め、二酸化炭素の排出削減に取り組んでいます。

二酸化炭素排出量(物流)

物流におけるグループの総二酸化炭素排出量は13千t-CO2で、前年度比11.1%削減しました。効率的な物流を計画し、グループ内の物流会社とも連携して二酸化炭素排出量の削減に努めています。

水域への排出抑制

COD、全窒素、全りん排出量

COD、全窒素および全りんの排出量は、水質汚濁防止法に基づき策定された総量削減計画及び総量規制基準順守のため、運転管理の強化に努め、全ての項目をクリアしています。
グループの事業活動で発生する酸洗排水、含油排水、めっき排水等は、その種類に応じて適切に中間処理した後、総合排水処理設備に送り、最終的に一括して凝集沈殿処理します。

廃棄物の排出抑制

廃棄物量

グループの廃棄物等総排出量は73千t で、前年度比15.1%削減しました。
廃棄物量は5.1千t で、前年度比28.8%削減しました。廃棄物の多くは排水処理汚泥です。
再資源化率は90%以上を維持しています。

化学物質の排出量および移動量

対象物質の排出量と移動量の合計は123tで、前年度比20.2%削減しました。
一部の製品に対する品質要求厳格化への対応のため処理液の更新頻度を増したこと、ならびに品種構成の変化といった増加要因もありましたが、この4年間では4.9%削減しています。

物質・エネルギーフロー

東洋鋼鈑グループは、ぶりきやラミネート鋼板をはじめとした各種表面処理鋼板、薄鋼板などの鋼板製品およびその加工品、電子機械部品、機能性フィルムならびに梱包用資材、機械器具、硬質合金などを製造しています。

また、グループ内に物流会社を持ち、船および車両による製品輸送も行っています。 環境面から見たグループの物質・エネルギーフローは、右図のとおりです。

主要な原材料は熱延コイルで、製品の製造工程におけるエネルギー源として電気、都市ガス、重油を使用し、さらに表面処理時の洗浄や設備の冷却などに水を使用しています。その過程で、CO2、COD、埋立廃棄物等を環境負荷物質として排出しています。

環境マネジメントシステムの状況

2022年度の活動による環境目標の評価結果を報告します。

No.環境目標評価結果
目標項目目標値
1環境配慮型製品の拡販販売予算☆☆☆
2環境配慮型製品の開発研究・開発目標☆☆☆
3事業活動における二酸化炭素排出量の削減二酸化炭素排出量削減(2019年度 -13.6%)☆☆☆
4枯渇性資源使用量の削減枯渇性資源投入量削減(2013年度 -15.8%)☆☆☆
5PRTR法対象化学物質の削減PRTR法対象化学物質の排出・移動量削減(2018年度 -15%)☆☆
6 事業活動における水使用量の削減水使用量削減(2013年度 -15.9%)

評価結果  ☆☆☆ 目標達成  ☆☆ 目標まであと少し ☆ 目標未達

事業活動における二酸化炭素排出量は、照明のLED化や太陽光発電の設置といった施策の実行に加え、電力会社の二酸化炭素排出係数が低減されたこと、また、2022年度から非化石証書の調達を開始したこと等により、基準年度比19%削減しました。枯渇性資源使用量は、基準年度以降の品種構成の変化や生産が減少したことにより、基準年度比22%削減しました。
PRTR法対象化学物質の削減については、対策を進めたことで基準年度比削減はしていますが目標値には未達の結果となりました。
事業活動における水使用量の削減については、水の使用実態を調査し、削減施策を検討・実施しましたが、削減することができず、未達の結果となりました。
また、プラスチック資源循環法に基づき、東洋鋼鈑(株)では、2022年度、次の目標を設定し、取り組みました。いずれの目標項目も達成しています。

環境目標
目標項目目標値
樹脂廃棄物発生量の削減
  • 廃棄物原単位(製品面積当たりの廃棄物重量):2021年度 -2%
  • 樹脂使用原単位:2021年度 -2%
  • 樹脂歩留:2021年度比 0.5%向上

樹脂を取り扱う工程ごとに目標値を設定

樹脂廃棄物の再資源化埋立、単純焼却している廃棄物をマテリアルリサイクル、または熱回収へ全量変更(2021年度実績:245t)

2023年度の目標項目は次のとおりです。

環境目標
目標項目目標値
樹脂廃棄物発生量の削減
  • 樹脂廃棄物量原単位:2022年度未満

樹脂を取り扱う工程ごとに目標値を設定

環境会計

環境保全コスト

2022年度の環境保全コストの総額は22.8億円で、2021年度と比較して3.5億円増額しました。主な要因は、環境関係設備投資額の増額です。全設備投資額は2021年度81億円から2022年度143億円と増額したため、全設備投資額に対する環境関係設備投資額の割合は、6.6%となりました。
2022年度の環境関係設備投資は、省エネ対策を中心に、電力使用量の削減を目的としたクリーンルームの空調機更新やコンプレッサー更新、照明のLED化などです。環境負荷の低い製品の開発費は、2021年度2.3億円から2022年度1.9億円に減額したため、全研究開発費に占める環境負荷の低い製品の開発費の割合は8.6%となりました(2021年度は11.3%)。

百万円/年度

分類主な取り組みの内容投資額費用額
事業エリア内コスト882964
内訳公害防止コスト大気汚染、水質汚濁防止活動、設備保守点検126324
地球環境保全コスト省エネルギー活動73112
資源循環コスト廃棄物回収、再資源化24628
上下流コスト包装材の回収リサイクル0179
管理活動コストISO14001維持向上活動、環境負荷監視1946
研究開発コスト環境負荷の低い製品開発43145
投資額+費用額188
全研究開発費2,178
対全研究開発費比8.6%
社会活動コスト環境美化活動00
環境損傷コスト02
合計9441,336
全設備投資額14,312
対全設備投資額比6.6%
環境保全コスト合計(投資額+費用額)2,280

環境保全効果

2021年度と比べ、エネルギー使用量は9.5%削減しました。水の使用量は、4.9%削減しました。
二酸化炭素排出量は14.7%削減しました。電力由来のエネルギー使用量は8.3%の削減にもかかわらず二酸化炭素排出量が14.6%減少したのは、太陽光発電を導入したことや非化石証書の調達によるものです。廃棄物等総排出量は15.1%削減しました。主な要因は鉄くずの減少です。
廃棄物(埋立・単純焼却)量も29%削減しました。

効果の内容環境負荷指標
項目単位総量対前年度削減量
(削減率%)
2022年度2021年度
事業エリア内で生じる環境保全効果エネルギー使用量TJ4,1304,565-435(-9.5)
内訳電力由来3,0843,364-280(-8.3)
電力以外1,0461,201-155(-12.9)
水使用量千m314,07614,798-722(-4.9)
二酸化炭素排出量千t-CO2208243-35(-14.7)
内訳電力由来154180-26(-14.6)
電力以外5463-9(-15.0)
廃棄物等総排出量t73,30086,331-13,031(-15.1)
廃棄物(埋立・単純焼却)量5,1247,193-2,069(-28.8)